第125回
宇宙最高! 妙なる技の乙女たち
 宇宙最高ッ! 
 美少女や萌えに比重がぐんっと傾いたオタク界ですが、やっぱりアレだろ! テメーらだってSFマインドを少しは持ってんだろ! いや! っていうかオタクならというより、男なら! 男子なら! 戦国時代、第二次世界大戦、宇宙の三本柱を好きであって欲しい。
 インポになっても戦国最強は松永久秀と言っていたい。
 猛烈オナニーの途中でチンポが根元から折れてもベルリン防衛戦で獅子奮迅の戦いをする超重戦車マウスの勇姿を妄想したい。
 年をとって精液が出なくなったとしたって泣きながらチンポを高速で振り回して、ウラシマ効果、ウラシマ効果と叫びたい。
 というわけで宇宙最高! 何をやってんだ人類! もっと宇宙開発しろ、ボケッ!

 
 というわけで今回紹介するのは小川一水『妙なる技の乙女たち』である。
 宇宙と地上をエレベーターで結ぶ軌道エレベーターが完成した近未来。軌道エレベーターのある東南アジアの海上都市リンガを舞台に、働く女性の姿を書いた短編集だ。
 宇宙へ人類が本格的に進出しているわけじゃなく、まだその入り口でぐちゃぐちゃと試行錯誤している段階な世界観がまずいいです。今までの歴史の延長線上にしっかりとある雰囲気にリアリティがあるのだ。
 そしてなにより、宇宙をテーマにしているのに八作の短編に登場する八人の女性のうち、宇宙に行くのは、軌道エレベーターのアテンダントと宇宙関係の企業に勤める二人だけ、というのがいいじゃありませんか!
 他は水上タクシーの運転手だったり保育士だったり宇宙で使う弁当箱のデザイナーだったりする。これは大変素晴らしいことだとおもうんですよ! 
 だって、軌道エレベーターの近くにある保育園の保育士を想像できるなんて、宇宙を身近に捕らえる想像力がないとできないです。しかも気負った感じを読者に伝えずさらりと読ませちゃうんだぜ!
 宇宙に行く人類というのを真剣に想像しないと、こんな素敵な作品は書けないと思う。それぞにキャラクターも立っているし、さくさく読めるし、こいつはいいですよ。
 小川一水の想像力は大合格だ!