第120回
ふるふる
 やはり男っちゅのうはボーイズラブ的な魂をもってこそ男! やだ、ホモ、気持ち悪いとかオカマみてぇなことを言ってるんじゃねぇ! 男×男の結びつきを友情と解釈しようが愛と解釈しようがそんなもんざっくばらんに言えば一緒じゃねぇか。
 だいたい妄想を楽しめないようじゃダメ。ボーイズラブにバリバリの敵意を抱く輩は、ロリレイプ物のエロゲーをする奴は犯罪者と言っているおばはんと一緒だ、オラ!
 男×男を作品で楽しみ、そういう妄想に浸る一方で、現実には無理だな、との想いを強くすることで、己の中の漢を著しく磨くことにもなるのだ。一挙両得ッ!
 

 というわけで、今回紹介するのはボーイズラブの元祖の一人とも言える木原敏江の『ふるふる』だ、コラッ!
 うっひょ〜! 久しぶりの木原敏江の新刊だっ! 嬉しいぜッ! 一部ではもう漫画を描かない、というような発言もあったようで、読者をやきもきさせたが、うっはー、ちゃんと出たぜ!
 いつもの木原ワールドを堪能できる作品になっているので、ファンなら即刻、ファンじゃなくても木原敏江に興味があるならすぐに買いなさい、マジで!
 旅の修行僧の日古はお人好しで生真面目。遊芸人の活流は盗みをはたらいたり人をだましたりするやんちゃ者。そして、日古に取り憑いた記憶のない女性の幽霊おぼろ式部。この三人が室町時代の日本を旅する物語だ。
 それぞれのエピソードに重要なキーワードとして古今集や新古今集などの和歌が登場する。和歌の持つ美しさやどこか生々しい人間の感情が、物語を引き締める役割を果たしており、こういったテクニックは老舗の技という感じで実に素晴らしい。
  また日古と活流の男同士の関係もナイスである。友情であるような愛情であるような絶妙な距離感がたまらない。男同時のぼんやりとした好意というか、直接的にぐいんぐいんとお尻を目指す即物的な臭いはまったくしないので、ボーイズラブが苦手な人も大丈夫。危ういようでいて安心感のある関係を描かせたら木原敏江は日本一やでホンマに。
 この絶妙なキャラ関係は本当に素晴らしいな〜