第113回
作者の声が聞こえるぜ! セーラー服と重戦車
 作者の声が聞こえる。そういう作品がある。
 ……まぁ、ありとあらゆる作品から大なり小なり聞こえるもんだが、特に大きな声で聞こえる作品というのがある! 
 作者は少しもそんなことなど考えておらず、読者側の幻聴だという可能性もある。あるが、そんなこたぁどうだっていいのだ。なぜなら、そういう声を聞かせるパワーを持った作品、という事実が変わるわけじゃないからである。
 
 今回紹介する野上武志『セーラ服と重戦車』からは聞こえに聞こえまくる。まるでラジオ!
 さらに本作の場合は作者の声だけじゃなく、企画会議の様子までもが見えるパワーまで持った優れものだ。
 ……新企画のアイディアを次々と出したもののこれといったものが出なかった午前3時。
 誰かがポツリと言う。
A「女子中学生が戦車に乗って登下校する話なんてどうですかね」
B「なんだよ、それ。わけわかんねぇよ(笑)」
A「巨乳の女の子が学校の戦車部に所属してるとかで(笑)」
C「プスップスッ(笑)。おもしれんじゃね、それ(笑)」
B「おもしろいかぁ? ……おっ、おもしろいな(なぜか爆笑)」
A「近所の暴走族とかも戦車を乗り回してて、それと対決したりするんッスよ」
C「ぷふふ、やめろって、それバカ受け(爆笑)」
B「それだったらアレだなタイトルは『セーラ服と……』」
A「重戦車(爆笑)」
C「やっ、やめろって(大爆笑)」
 こんな感じだったと想像する。いやこうだったに違いない!
 煮詰まった会議+深夜=想像を絶する意見が炸裂するアイディアの逢魔時。
 普通なら、んじゃ真面目な話に移るけど、なんてつまらない切り返しでそれらのアイディアは流れてしまう。しかし、その企画が通ってしまうこともある! 
 それが本作だ!
 ……いや、前に書いたけどこんなことは少しもなくて、淡々と会議は進んだのかもしれないけど、こういうことを読者に想像させる力を持っているってことですよ?
 というわけで『セーラー服と重戦車』は現代の田舎の中学校を舞台に巨乳の女子中学生がおっぱいを、たっぷんたっぷん、させながら戦車を乗り回す作品だ。
 好きな物を書いてます! 勢いでやってます! という作品の雰囲気がいい感じに炸裂していて、読んでいて実に楽しい! エロいし! 戦車だし!
 アントニオ猪木ばりに、おめぇはそれでいいや、と言いたくなるこの姿勢、断固支持!
 細かい文句なんかつけずに勢いですべてを気持ちよく受け入れろ!