第104回
古典だから感動するわけじゃねえ「イノック・アーデン」
 ラノベは安っぽいとか、携帯小説はワンパターンだとか、エロゲーのストーリーがくだらないとか、そんなどーでもいいことを言ってるんじゃねぇだろうな? んなこたぁ、スカパーの「サムライTV」唯一の女子アナである三田さんが最近、変な服を着なくなったことくらいどうでもいいよ!
 確かにそういった傾向があったとしよう。だからってジャンル自体がダメだとか劣ってるとか言い出すのはノーッ。「ジャンルに貴賤なし、ジャンル内に貴賤あり」(うろ覚え)という村松友視の名言を地球最後の日まで写経しろ!

 というわけで今回紹介するのは アルフレッド・テニスン「イノック・アーデン」だ。アルフレッド・テニスンはヴィクトリア朝時代のイギリス詩人で、幾つかの名作を残した。夏目漱石も絶賛したというのが「イノック・アーデン」である。
 幼なじみの男二人と女一人の生涯にわたる三角関係を、悲しく切なくとんでもなく感動的に書いた作品である。
 当時としてはどうだったのか不勉強なのでわからないが……ハッキリ言って……ハッキリ言えばストーリーは安っぽいッ! ネタバレになってしまうが、古典だからまぁいいだろう。……いいよね? ストーリーがわかってしまったからどうっていうような作品でもないしな。
 二人の男が一人の女に恋をするわけですよ。で、片方と女が結ばれて幸せになったかと思ったら、その男が行方不明になるわけです。んで、もう一人の男と残された女が苦悩するわけですよ。
 どうですか、このベタベタなストーリー展開。安っぽいラノベやくだらない携帯小説と同レベルですよ。
 バカヤロウッ! アルフレッド・テニスンの文書は韻やリズムが素晴らしいんだよ! などという人もいるだろう。だがしかしである! 無茶苦茶なことを言ってしまえば、韻やリズムの素晴らしさなんて、サラダに沿えるプチトマトとか、動きが速くなるプログラムとか、そういうレベルのもんでしょう。玄人の目から見て素晴らしかったとしたって、問題なのはサラダそのものであり、パソコンそのものだ。
 んでだ。
 ハッキリ言ってしまえば、この作品は泣けるッ! 感動するッ!
 人間の心を打つストーリーのお手本のようなものである。
 王道を真っ直ぐに突き進んでいる。安っぽいとは思うが、素晴らしいとしか言いようがないのもまた事実ッ!。
 僕が言いたいのは「イノック・アーデン」が優れた古典だから感動したと思うな、ということなのである。ラノベにも携帯小説にもエロゲーにも同種の感動はごろごろ転がっているはずなのだ。
 ラノベで感動することを恥じるな! 胸を張って携帯小説を読め!
 ジャンルにとらわれるな。テメーの感動はテメーだけのもんだろう。
 他人がどう言おうが、テメーの感動をつらぬけッ! ただし視野は広く持て!
 そして、とりあえず「イノック・アーデン」は読んでおけ。そういうことだッ。