第95回
現代のエクソシスト バチカン・エクソシスト
 魔法使いとかになって、モンスターとかと戦いてぇ〜! 
 なんかもうサキュバスなのに貧乳とか、そういうキャラと性的な意味で闘いてぇ!
 というような希望を主張したとしても(例え全裸で主張したとしても)、そんな状況はエロゲーとかにしかないわけで、魔法使いとかエクソシストとかデビルサマナーとか退魔師などになりたいと思ったってなれるわきゃないのである。迷信がはびこっていた大昔ならともかくこの現代では……。
 えっ? マジで? ……いますか。いましたかエクソシストが……。

 というわけで今回紹介するのはトレイシー・ウィルキンソン『バチカン・エクソシスト』だ。著者がさまざまなエクソシストやその関係者にインタビューを試み、なるべく主観を排除してエクソシストの現状を書いた一冊。
 いや、もう、かなり衝撃的な一冊ですよぉ!
 だって、ホラー映画や小説じゃなくて、リアルワールドに、この現代にエクソシストっているんですよ! マジで悪魔を退治してるんですよ。おっ、おっかねぇ!
 しかもイタリアを中心に増加傾向にあるは、エクソシストのための講座がもうけらるは、とかなり盛り上がっている様子。
 創作物のように実体化した悪魔が世の中に現れるわけがないので、エクソシストは悪魔に取り憑かれたと思っている人の体から悪魔を取り除くための儀式をするの。
 ……悪魔に取り憑かれたと思うなんてどう考えたって精神病なんじゃ、と多くの読者は思うだろう。僕もそう思った。
 しかし、そう簡単な話じゃねぇんですよ、これが。
 カトリックの考えとしては、神が存在するからには悪魔も存在するわけで、神を信じるということは悪魔を認めなくちゃいけねぇらしいんですよ。つまり悪魔の否定は神の否定につながってしまうわけだ。
 そしてイタリアの貧困層の多い地域では、精神病にかかるというのは凄い屈辱的で一家の恥だけど、悪魔に取り憑かれるのは恥じゃない、という考えがあるそうなのだ。
 ……こいつはどうにもこうにも難しい問題ですな。
 エクソシストの中かは自信を持って悪魔払いの仕事をする人もいれば、悪魔の仕業じゃなくて統合失調症のせいじゃないのかと悩みながら悪魔払いをする人もいる。
 精神病院で直らなかったものが悪魔払いで直ってしまう人もいる。
 む〜〜、世の中、広すぎるぜ!
 オカルトや精神関係に興味のある人は絶対必読の一冊だぜぇ!