第81回
女の子同士のドタバタギャグ  ヒャッコ
 ちゃんと調べたわけじゃないからはっきりしたことは言えないけど、女の子同士のじゃれあいを微笑ましい気持ちで読む、という喜びを『あずまんが大王』で初めて味わった人は多いんじゃねぇでしょうか? 
 自身を投影できる主人公なんかいなくたって、女の子が楽しそうにしているを見るのはおもろい!
 このおもしろさは衝撃的だった!
 無数のフォロワーが存在している現状を見れば『あずまんが大王』のスタイルがいかに革新的だったかわかるというものだ。
 大友克洋『AKIRA』以前以後で漫画界が変わったのと同じレベルで『あずまんが大王』以前以後で漫画世界は変わったと僕は思っている。

 というわけでカトウハルアキ『ヒャッコ』も『あずまんが大王』以降の世界でなくては生まれなかった作品だと言えるだろう。
 本作は、広大な学園の校舎で偶然、出会った、おっとりとした女の子、ツッコミ系のお嬢様、無闇に元気で活動的すぎる女の子、無口系の女の子、彼女達が繰り広げるドタバタコメディだ。
 萌え系の作品でありながら読んでいて疲れない、あまり媚びを感じない、というのが本作の嬉しい所だ! いや媚びてはいるんだろうけど、読んでいてベタベタとししないというか! 粘着質じゃないというか!
 なんつーか、萌え系の作品って読んでいて変な意味で疲れるじゃないですか! 
 ほらほら、こういうのが好きなんだろう、という作者の声が聞こえてくる作品もそれはそれで好きなんだが、そういった声の気配にどっと疲れてしまうことも多々ある。
『あずまんが大王』って読んでいて全然疲れないじゃないですか。むしろ、何度も繰り返し読んでしまうパワーに満ちあふれていたというか!
『ヒャッコ』もそういった意味ではしっかりとその跡をついだ作品といえるのではないだろうか。
 無論、それだけで終わる作品ではない。
 人生の悩みやどうしようもない葛藤がさらりと真っ直ぐに捻らずに描かれているのだ。それがちょっとしたアクセントとなっていた物語を引き締めているのだ。
 ここらへんの真っ直ぐな描き方は、ベタベタしていなキャラクターと相まって、読者の胸にストンと入ってくる。
 女の子同士のドタバタギャグで、軽くてちょっと青臭い漫画を読みたいキミにオススメだ!