第54回
『続・性本能と水爆戦』は傑作
 うあ〜! 引っ越して一週間したらネットがつながるはずだったのに!
 はずだったのに某社から、21日にならないとつなげられないもん、って気ままな妖精風に言われちゃいましたよ、ファーック! なんだそれ? ツンデレ風味なんかそれ? 遠回しに賄賂を要求してんのか? イライラしすぎて勃起しちゃいそう。そんな独り言はともかくとして本題に行くぜ。
 
 今回紹介するのは道満晴明の短編集『続・性本能と水爆戦』だ。
 僕がわざわざいうまでもないかもしれないけど、道満晴明は変わった漫画家である。
 何が変わってるって、まずエロ漫画家なのにあんまりエロくない。その代わり寓話っぽい感動物とナンセンスギャグが得意、というところだ。
 デビューした頃はそういった方向が定まっておらず読んでいて何をしたいんだかよくわからない所があった。おまえは何をしたいんだ? と読者に思わせてしまうもやもや感があったのだ。なんとなくおもしろいけど、むーん、人には勧められんなぁ、って感じだ。
 しかし『くらげ』や『かえで』あたりから徐々に方向性が定まってきて『性本能と水爆戦』では完全に方向性が定まり『続・性本能と水爆戦』は大絶賛必至な傑作となったのである。
 それでは『続・性本能と水爆』のどこが傑作なのか?
 それは物語の断片を容赦なく描ききる技術と、物語デタラメに終わらせる思いっきりの良さが、炸裂している部分なのだ。この二つが見事に結びあった時、短い枚数で深みのある作品が次々と生まれたのである。
 断片であるがゆえに、デタラメであるがゆえに、物語の大部分は読者にゆだねられることになる。そのため、物語の背後にある何かが読者の内面にあざやかに浮かびあがってくるのだ。
 感動的な物語は読者の中でより深みのある感動へと変質し、ナンセンスギャグはより意味の分からないすごみのある物へ昇華していく。
 そういった手法が嫌みな表現になってしまう作家もいる。だが道満晴明の場合は少しもそういったところがないのだ。怖ろしいッ。いやー本当にこいつは傑作ですよ、必読。
 ただ道満晴明が寡作なのは残念。もっともっと読みてぇんですよ! だからもっともっと書いてくれってば! そして某社はもっともっと早く僕の部屋に回線を引いてくれってば!