第53回
入江亜季は群青学舎から読めッ!

「機動戦士ガンダムUC」という企画が進んでいるらしいじゃねぇですか!
 それを最初に聞いた時は、ズバリ言ってかなりテンションが下がりましたよ。どうせまた糞ガンダムなんだろう、もうガンダム商売はやめろや、ボケ! ガンダムってだけでこっちは絶対に視聴しなきゃいけない義務を負うんだから勘弁してくれ。SEEDの時に味わった、時間の無駄遣いしたあげくつまらなさという苦痛に悩む地獄がまた始まるのかよ……。
 そんなことを思っていたらアレですよ!
 小説家の福井晴敏がスタッフに入っているらしいじゃないですか!
 これはおもしろそうだ!
 井晴敏といえば結婚式で仲人を富野由悠季に頼むという常軌を逸した小説家ですよ!
 そんな人が作るガンダム! おもしろくなりそうだ!

 というわけで今回は福井晴敏の一番新しい作品「Op.ローズダスト」をレビューだ!
 テログループのローズダストは、警察と自衛隊を挑発するように次々と都内で連続テロを発生させる。この事件の捜査にあたる防衛庁情報部の丹原朋希にはローズダストのリーダー入江一功と深い因縁があったのだった……という、都内で連続テロをしかける奴らとそれを防ごうとする奴らの対決をスリリングに書いた作品だ。
 いや〜おもしろいですよ。
 痛々しい青春、男の友情、少年じみた悲しさを持つ青年、中年男の悲哀、真っ直ぐな思想とねじ曲がった思想、組織と個人、現在と過去、本作で書かれている一つ一つのテーマはありきなりなものかもしれない。だが、それが素晴らしい配合で組み合わされた瞬間、もうとんでもないドキドキハラハラで胸が痛いのに開放感のある物語が浮かび上がってくるのだ。
 読んでいて熱くなるのは因縁のある男同士の体力と知力をふり絞った熱いバトルなのだが、それ以外の部分も最高の一言に尽きる。特に萌えツボを見事に打ち抜いてくる聡明な少女や素直な少女がズバンと登場するのだが油断できねぇぜ、畜生。
 専門用語がバンバン出てくるのもカッコイイぜ。そういうのって読みにくくなるんじゃねぇの? と不安に思う人もいるだろうが大丈夫! 軍事とかにちょっとでも興味がある人なら字面だけでうっとりしてしまうような男の子心に響きまくりな専門用語なのだ。わかってるぜ、福井晴敏
 かなりノンストップ展開なので一度読み出したら最後だ。睡眠時間を削りまくって読みまくりに読めッ!
 ……まぁ、そういった展開自体が、いつもの福井晴敏だなぁ、と思わんでもないけど、それでもおもしろいんだから問題なんてあるわけねぇ。
  新作ガンダムに期待だぜぇ!