第48回
ヴィンランド・サガは超渋い

 んぬぬぬっ! 幸村誠は凄ぇなぁ、としみじみと思ったぜ!
 前作の『プラネテス』は宇宙が舞台だったのに、本作は歴史物だもんなぁ。
 歴史物といっても舞台は幕末や戦国時代や三国時代やローマ帝国じゃねぇ! なんと11世紀のヨーロッパを舞台にヴァイキングの活躍を描いた作品なのだッ! 
 まったくもって身震いしちまうほど渋い! なんか下半身がビチョビチョになっちゃうくらいの激渋! 
 だってヴァイキングなんですよ、アナタ! 
 北欧やイギリスを荒らし回った海賊集団だった、と知ってはいる人は多いだろう。だけど、その歴史における代表的な人物を上げよ、と言われて答えられるか? 
 僕は無理! まったくもって無理! …えっと…ノルマン朝? とにかく脳にあるヴァイキングの情報はそのくらい。
 だけどヴァイキングと聞けば、船に乗った男達の荒々しいロマンみてぇなもんが一気に頭ん中をかけ巡らねぇか? 
 海賊ってだけでこう心がドキドキする何かがあると思うのだ、なっ?
 みんな知らないけど興味はある、ヴァイキングはそんな存在だと思うのだ。そんな時代に目をつけた幸村誠の眼力はさすがだ!
 だけどそんな知っている人物もいない時代を舞台にした作品を読むのには抵抗があるなぁ……。などと不安に思ってる人もいるだろう。
 そんな不安を感じた人には、幸村誠をなめんな! と声を大にして言いたい! 冒頭からおっぱじまる戦争シーン。そして無口で好戦的な主人公の少年と彼の属する海賊団の首領との確執、そして二人の決闘……と怒濤のスタートダッシュで一瞬のうちにストーリーに巻き込まれてしまう。
 キャラクターの描き方に特徴があるのも本作の魅力だろう。主要キャラクターが魅力的なのは当然として、ほんの数コマしか登場しないキャラクターも素晴らしく魅力的なのだ。その数コマでキャラクターの人物像が頭の中で広がってくるのである。これは凄い!
 時代考証とかは大丈夫なのか? と思う人もいるだろうが、こちらもバッチリだ!
 特に、文明が進化しつづけたのではなく、逆にローマ時代からずっと退化しつづけて生まれた中世という世界と、そしてこれからも文明は退化していくであろう、という終末感を出したところなんかは大絶賛するべきだと思う。
 文明はずっと進化してきたわけではない、ということをこんなに明確に打ち出した歴史漫画ってあんまりなかったんじゃないだろうか。
 そうなったら物語世界に超没入ですよ! あーもー、先の展開が気になって、気になって!
 さぁ、ヴァイキングの世界にキミも飛び込みやがれ!