第43回
気持ち悪くおもしろい!『謎の彼女X』

 うわぁ〜気持ち悪ぃ〜! でもおもしれぇ〜! でも気持ち悪ぃ〜、でもおもしれぇ〜! うは〜!
 植芝理一『謎の彼女X』はそういった作品である!
 気持ち悪いと言っても、グログロだとか、バットエンド作品だとかそういったわけではない。可愛い男のと可愛い女の子の過剰なほどに初々しい恋愛漫画だ。
 ではどこが気持ち悪いのか?
 それは作者はこういう女の子が好きなんだろうなぁ、こういうことしたかったんだろうなぁ、という雰囲気がもうイヤというほど伝わってくる部分なのである。前作の『夢使い』で圧倒的なガチロリっぷりを見せてくれたが、今作では不思議少女と恋愛したい、という叫びが圧倒的に伝わってくるのだ。一撃で雌ゴリラのキンタマを潰せる程度の勢いはある!(大山倍達風)
 ……いや、まぁ、アレだ! 作者が本当にそういう嗜好なのかどうかは知らんし、興味もない。僕が言いたいのは、作者が意図しているにしろしていないにしろ、そういった叫びが伝わってくる作品だ、ということである。
 ある日、転校してきた女の子。彼女は無愛想でいつもよだれをたらして寝てばかりいる。主人公は彼女が机の上に残したよだれを舐めてみたくなり……というストーリーだ。
 この序盤のストーリー説明だけでも初々しさと気持ち悪さとおもしろさが充分に伝わると思う。
 気になる女の子のよだれを舐めてみたくなるって!
 そんなもん! そんなもん!
 気持ちは痛いほどわかりますよ。中学生の僕だったらそんだけで完全に勃起しちゃうね。射精してしまうかもしれん!
 だけどですよ! だけですよ!
 そんなことよく描けるよなぁ!
 だって圧倒的に気持ち悪いじゃないですか! そういった封印したい気持ち悪い部分をしっかりと覚えていて作品にぶつける作者の力量! 不肖ファッキン渡辺、感服いしました!
 あー、この初々しさと気持ち悪さ、本当におもしれぇ!
 登場する女の子と男の子は一般的なエロいことはしない、というのがまたいい。
 することといえば基本的に女の子のよだれを男の子が舐める、ということだけである。
 キスさえもしないのである。
 そこらへんのこだわりがまた(以下同文)。
 普通に付き合ったりちょっとエッチなこともしてみたいという男の子。
 無愛想で自分の意見を冷たくハッキリ言うけれど、好きだって感情だけは常にピンピンに発散しまくっている女の子。
 ポップでキュートなどという形容がピッタリな作品でもある。
 だがそんな言葉では到底カバーできない気持ち悪さを満々とたたえた作品でもある。
 このおもしろさは本物だっ!