第35回
細部のリアリティ・宙のまにまに

『宙のまにまに』はヨシ!
 オモシロイッ! なっ、なんちゅうんッスかね! この感じ……ああぁ過去にも経験したこの胸を締め付けられる気持ち……そうこの感じは、良質な学園ドタバタギャルゲーをプレイしているようなトキメキ! オイオイ! 生徒会長の攻略ルートはねぇのか、ファック! ねぇのかよ、ガッデム! ガンダム! と叫び狂いたくなるっちゅうか! 叫び狂ったっちゅうか! うおぉぉん!
 ……というわけで今回紹介するのは柏原麻実『宙のまにまに』です! 
 小学生の頃に住んでいた町の高校に入学することになった主人公。そこで再会した星が大好きな一歳年上の幼なじみの女の子に強引に天文部へ入部させられてしまって……というストーリーだ。
 登場するのは、
 メガネでちょっとだけひねた感じの主人公(♂)。
 天真爛漫で強引で星が大好きな先輩(♀)。
 しっかりものの先輩(♀)。
 すぐに吐血する病弱な部長(♂)。
 ツンデレ風味の同級生(♀)。
 気の良い友達(♂)。
 天文部を敵視する生徒会長(♀)。
 といったキャラクター達。
 部長が女キャラならギャルゲーにありそうなキャラ配置じゃないですか。
 ストーリーもいい感じに緩くドタバタと進んでいく。
 こういったギャルゲー的な雰囲気が嫌な感じに出ると、はいはい萌え萌え、OKで〜す、もう読まなくていいですか? という気分になってしまう。
 だが、本作を読んでいてそんな気分にはならねぇ!
 いったいそれはなぜか?
 それは、細部にリアリティがあるからだ。
 おもしろくないギャルゲーや萌えまんがの特徴の一つに、豪華なまでの細部の切り捨てってぷり、といのうがあると思う。キャラクターが立っていれば、それはそれでいいのだが、やはり細部があった方がその世界でキャラクターが生きている、嘘の出来事じゃない、という雰囲気が出て、いい感じになると思うのだ。
 例えば本作では、
 黒点観測する時に使う厚紙に顔をかくとカワイイ。
 雨が降ると湿気で髪のボリュームが出てしまうので髪を押さえている癖毛の女の子。
 といった描写がある。
 これですよ!(孤独のグルメ風に)。
 こういった細部の描写があるからこそ、キャラクターと世界観が合致してなんともいえんリアリティが生まれ、そして18禁同人誌を作りたくなるような妄想力をも刺激されるわけですよ、オロロンッ!
 とにかく微妙な細部! こいつが必要だ、ということを教えてくれる作品だと思う。
 んじゃ、生徒会長でヌいてきますんで、また次回ッ!