第34回
今回は大必読! たたかう! 恐竜大ずかん2億年の眠りから覚める戦闘DNA

 急いで本題に入る! とにかく早急に紹介しなくてはいけない一冊なのだ!
 というわけで今回紹介するのは「たたかう! 恐竜大ずかん 2億年の眠りから覚める戦闘DNA」だ!
 かなり安い作りの子供向け恐竜図鑑である。はっきり言ってこれより優れた図鑑は幾らでもあるだろう。というか恐竜関係の書籍としては大げさではなく最下級の部類だと思う。子供向けだからってテキトーな仕事しやがってボケ! そう吐き捨てられてもやむなしな一冊である。
 だが、しかし! だが、しかしなんですよ、諸君!
 ページを開けば飛び込んでくる、
「中生代の荒くれもの達が火花を散らす」
 という文字!
 さらにページをめくると。
「恐竜最終決戦(ハルマゲドン)時空を越えたバトルが今始まる!!」
 恐竜でハルマゲドンとくれば、巨大隕石の落下を連想する人が多いと思う。本書ではそんなみみっちい学術的な話なんか一切ナシ。
 本作でいっているハルマゲドンとはまさに最終決戦! 恐竜同士のガチンコなしばき合いのことだ! そう! 本作が衝撃的に素晴らしいのは、恐竜が格闘技的なバトルを繰り広げていた、という妄想で作られている部分なのである。
「最後におまえをほめてやろう。天下無敵のおれさまに戦いを挑んできたことを。」
「おい、でくのぼう、最後に目を見開いときな。おれのテクニックを見せてやるぜ。」
「教えてくれないか。この世におれより恐ろしい奴っているのか?」
「ビューティフルに刻んでさしあげましょう」
 完全にフジテレビの格闘番組チックな言葉だ。
 っていうか、ヒョードルとかミルコのあおり画像でこんなり台詞あっただろ! デッテテ、カモンベイベ〜という外人の声が聞こえてきそうな台詞である。
 ちなみに上から順番に、ティラノサウルス、サイカニア、ケラトソウルス、カルノタウルスの絵の横につけられた台詞です。
 ……どういうセンスなんだこれは?
 さらにそれぞれの恐竜にニックネームがついているのだが、これもまた信じがたいほどに格闘技チックであり、同時になぜそういうニックネームになったのか絶対的に理解不能なものが多い。
 例えば「20〜30センチメートルの低い帆が首から背中にかけてある。あたたくなるちきゅうに合わせて、体温を下げるのに使っていたらしい」という説明文しかないアクロカントサウルスのニックネームがなぜ「バーサク巨神兵」なのか? まったくわからん! 気絶しそうなほどわからん!
 有名な草食恐竜のイグアノドンのニックネームがなぜ「白亜紀を制した集団爆撃機」なのか? いったい何を根拠にイグアノドンが白亜紀を制したと断じるのか? そしてなぜ集団爆撃機なのか? 「?」の嵐である。
「見つかった化石が少ないので、どんなくらしをしていたかはわからない」というウダノケラトプスのニックネームがなぜ「Mr.掘削機」なのか? いったいどこから掘削機の言葉が光臨してきたのか? 背筋に冷たい物さえ感じる意味不明さだ。凄ぇ。
 その中でももっとも衝撃的なのが日本で発見されたフクイラプトルのニックネーム「白亜紀のラスト・サムライ」だ。白亜紀でラストでサムライって……。あーもー、野暮を承知でいいますよ! 言わずにはおられんですよ! 白亜紀にサムライはいねぇ! ラスト・サムライってまだサムライ自体うまれてないのにいきなり終わらせるなよ!
 そして各恐竜が「こうげき・ぼうぎょ・スピード・スタミナ」で五段階評価されているのだが……スタミナって。スタミナなんて化石からどうやって測定するんた?
 とにかく「体重が重すぎて、座ったらおき上がれず」という説明のついたブラキオサウルスのスタミナ評価が5となっているのは不思議だ。根拠がよくわからんままにブラキオサウルスはスタミナ自慢だとみんなも覚えておくように!
 とにかくどのページを開いても衝撃を受けること間違いなしなので、即刻購入するように!